Animal Knight 2

部屋一面においしそうな匂いが漂う。それはどうやらリビングの奥のキッチンから漂っているようで、キッチンでは少女が鼻歌を歌いながら料理をしていた。


「ふんふーん♪」


慣れた手つきでフライパンを動かす少女。すると、どこからか白い犬が現れて、少女の足元にお座りの体勢を取った。
ワン!と白い犬が一吠えすると、気づいた少女がそちらを見てにこりと微笑む。


「ダンテ、待ちきれないのはわかるけど、もう少し待って。もう少しでできるから」


少女がそう言うと、白い犬―ダンテはワンッ、と吠えて、嬉しそうに尻尾を振る。
その時、玄関の方からガチャリと扉の開く音が響き、少女は顔を上げる。
ぱたぱたと少女が玄関に向かうと、少女より年上であろう女性がいた。
少女は女性に向かって微笑む。


「お帰り、リアラ」

「ただいま、ディーヴァ」


女性―リアラはディーヴァを見て微笑み返す。


「今日の夕ご飯は何?」

「ハンバーグだよ。野菜のバター炒め付き」


靴を脱ぎながら聞くリアラに、ディーヴァが答える。


「いつもごめんね、夕ご飯の準備任せちゃって」

「大丈夫だよ、リアラは仕事で遅くなるんだからこれくらいはお安い御用だよ」

「ん、ありがとう」


二人で廊下を歩きながら話し、リビングに入る。二人が入ったと同時に、リアラに向かって白い猫が歩いてきた。
それに気づいたリアラは白い猫と目線を合わせるように屈み込む。


「ただいま、ダンテさん」


リアラが頭を撫でながら微笑んで言うと、白い猫―ダンテは目を細めて、ニャー、と鳴く。
立ち上がると、リアラはリビングに隣接する扉の一つに向かう。


「ちょっと着替えてくるね」

「うん、じゃあその間にご飯用意しておくね」

「うん」


扉の向こうに消えたリアラを見送り、ディーヴァは夕食の準備のためにキッチンへ戻った。

[ 45/220 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -