命の砂時計 14
「…俺は、半魔だ。半分、悪魔の血が混ざってる。だから…」
一度言葉を切り、ダンテは俯く。
「俺は、お前とは一緒にいられない…」
そう言い、黙ってしまったダンテに、名前は口を開く。
「…ダンテ」
名を呼ばれ、ダンテが顔を上げると、名前はダンテを抱きしめた。
ダンテは目を見開く。
「名前…?」
「例え半分悪魔だったとしても、ダンテはダンテだよ。中身は変わらないわ。優しいダンテのままだよ」
両手をダンテの頬に移動させると、名前はダンテの額に自分の額を合わせる。
「私の気持ちは変わらないよ。―大好き、ダンテ」
「名前…」
ダンテは名前を見つめると、やんわりと彼女の腕を下ろし、肩までになった彼女の髪を撫でる。
「…俺で、いいのか?」
「うん」
「守らせて、くれるのか?」
「うん」
「傍に、いてくれるのか?」
「うん。…傍に、いさせて」
名前が頷くと、ダンテは彼女の頬を撫で、願うように告げた。
「…お前を守らせてくれ。ずっと傍に、いてくれ」
「うん」
「好きだ、名前」
「…うん」
幸せそうに笑い合う二人に、割れた窓から満月の光が降り注いでいた。
落ちてしまった砂(とき)の分、これからはダンテが埋めてくれるよね。
大好き、ダンテ―。
***
『Tosca』のめりろ様より、『若夢で片想い、シリアス甘』でした。
リクエストを聞いた時、砂時計を題材にした話を思いついたので、それで書かせていただきました。何だかすごく長くなった…(^ ^;)
夢主ちゃんは海の砂イメージ、若は『3』のテメンニグル直前イメージです。
若はあまり書いたことがないのでだいぶ悩んだのですが、大丈夫でしょうか…?
管理人としては、最後辺り、いい感じになったと思います。新たな表現も入れられたし(*^^*)
めりろ様のみ、お持ち帰り可です。
めりろ様、この度は相互ありがとうございました!
2013.7.23
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