上手くなった理由(わけ) 3

昼を少し過ぎたころ、居間のテーブルに皿を並べていたリアラの耳に扉の開く音が届く。
リアラが顔を上げ、音のした方を見やると、ダンテが扉の前に立っていた。
準備の手を止め、リアラは小走りでダンテに近寄る。


「ダンテさん、お帰りなさい」

「ああ」


上から下まで見てダンテが怪我をしていないことを確認して、リアラは心の中で安堵する。
一息吸い、ダンテが言う。


「いい匂いだな」

「今日は鶏のトマト煮です」


もうすぐで準備できますから、待っててくださいね、と言うと、リアラはキッチンへと戻っていく。
その後ろ姿を、ダンテは微笑みながら見つめていた。

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