命の砂時計 9

あれから三日経った。
昼過ぎ、ダンテは依頼のために出かけるところだった。
玄関に向かいながらダンテは言う。


「夜には戻るから、ここから出るなよ」

「大丈夫、ダンテのおかげで買い物も済ませたし、特に用はないから」


にこにこと笑って答える名前にダンテはなぜか少し違和感を感じたが、その考えをすぐに打ち消し、扉を開ける。


「じゃあ、行ってくる」

「行ってらっしゃい。気をつけて」


ダンテの姿が扉の向こうに消える。バタン、と音を立てて扉が閉まると、名前は振っていた手を扉に添え、額を当てて呟いた。


「…早く、帰ってきてね…」


あなたが帰ってくるまでに、私は生きていられるかわからないから。
夜のことを思い、名前は恐怖で掌をぎゅっと握りしめた。

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