命の砂時計 6
あの後、ダンテの提案で悪魔から身を守るためと自分に呪いをかけた悪魔を探すために、名前はしばらくの間、ダンテの事務所に居候することになった。
居候する代わりに家事をしてほしいと頼まれ、名前は毎日、掃除、料理、洗濯などをこなした。洗濯物を干したり、買い物に行く時など自分一人ではできないことはダンテに頼み、ダンテは名前の日常生活の補助をしたりと持ちつ持たれつの関係で毎日を過ごしていた。
そうして一週間が経ったある日、朝食を食べながらダンテが言った。
「今日はいい天気だし、これ食ったら出かけないか?」
「出かける?どこに?」
「大通りの商店街。あそこならまだ治安いいだろ」
「いいけれど…私、車椅子だから、迷惑かけちゃうよ。それでもいいの?」
名前が買い物に行く時には必ずダンテが荷物持ち&護衛で着いてきてくれる。
車椅子で移動するのも一苦労だからとても助かるのだが、こんな休みの日まで大変な思いをさせていいのだろうか。
「いいさ。それに、そんなの迷惑の内に入らない」
当たり前のように言うダンテに、名前は彼の優しさを感じ、心が温かくなるのを感じた。
「…うん、わかった。せっかくのダンテからのお誘いだし、行こうかな」
「そうこなくっちゃな!せっかく出かけるんだから、目一杯かわいくしてくれよ?」
「わかった」
くすくすと笑いながら、名前はどんな服を着ようか考え始めた。
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