上手くなった理由(わけ) 2
買い物を終え、事務所に帰ってくると、すぐにリアラは料理を始めた。
事務所の主―ダンテは依頼でいない。昨夜入った依頼で、今日の朝早くに出かけて行った。昼には帰ってくる予定だ。
(お腹空かせて帰ってくるだろうから、お肉がいいよね)
今日、昼食を鶏のトマト煮にしたのはそれが理由だ。
いつもなら昼食には重いメニューだろうが(彼にとってはそうでもないんだろうけど)、依頼をこなして帰ってくるのだから、いつもよりお腹を空かせているだろう。
鍋の中で煮込んでいるトマトソースを味見し、納得できたところであらかじめ下味をつけておいた鶏肉を入れ、蓋をする。
(よし、昼食はこれでいいわね。あとはあれの準備をしなきゃ)
鍋の前で頷くと、リアラは別のものの準備のために動き出した。
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