happy summer! 11

「ほらよ」

「お、サンキュー」


ビーチバレーの片付けを終え、みんなで一息つく。
きょろきょろと辺りを見回しながら、若は尋ねる。


「リアラは?」

「あそこで貝殻探してる。ほら」


初代が指差した先には、波打ち際でしゃがんで何かを探すリアラの姿。若が彼女の元へ向かおうとすると、髭が呼び止めた。


「ああいい、俺が持っていってやるよ」


そう言うと若からサイダーの缶を受け取り、髭はリアラの元へと向かう。リアラの後ろに立つと、髭は彼女の頬に冷えた缶を当てた。


「ひゃっ!」

「ほら、お前の分」

「ダ、ダンテさん…」


びっくりした…と言うリアラに悪い、と謝り、彼女に缶を渡すと、髭はリアラの隣りにしゃがむ。


「見つかったか?」

「なかなか…」


ふるふると首を振り、サイダーの缶を開けた彼女を見ていた髭は、少し離れたところに何かを見つけ立ち上がる。


「ダンテさん?」


首を傾げるリアラを残し、髭は先程何かを見つけた場所に向かう。そして、その場に立ち止まると何かを拾い上げた。
リアラの元に戻ってくると、髭は彼女の前で屈み込んだ。


「見つけたぞ」

「あ…」


髭の手の上にあった物に、リアラは目を見開く。
髭が見つけたのは白い貝殻だった。二枚貝の片割れのようで、内側も白く染まっている。
ほら、と言われ、慌ててリアラは両手を差し出す。手のひらに乗せられた小さな貝殻を見つめた後、ゆっくりと握りしめ、リアラは呟く。


「ありがとうございます」


嬉しそうに微笑んだリアラに、髭も微笑み返し、彼女の頭を撫でる。


「リアラー、おっさーん!そろそろ帰るってよー!」


遠くから若がこちらに向かって叫ぶ。髭は立ち上がり、リアラに手を差しのべる。


「そろそろ行くか」

「うん」


頷き、リアラは髭の手に自分の手を重ねる。そのまま、二人は一緒に若達の元へと歩いていった。



***
『ぱらのいあ』の望月闇姫様からのリクエストで、『長編夢主でif話、allメンバーで海に遊びに行く』でした。
全員の口調を書き分けるのはけっこう大変ですね(^ ^;)特にお兄ちゃん、どうしたらよいのか…(^ ^;)
何か最後辺り、長編のあるシーンと被っちゃったけどいいのかしら(^ ^;)
夢主は若者組と初代はくだけた口調、二代目とおじさんには敬語で話します。それでもおじさんといる時間の方が長いので、時々子供っぽい口調になったりします。
恋人でもないのに、ほんのり恋人風味な気がする…(笑)
ネロとは家事を分担してやってて、事務所のやりくり上手になってる、きっと。主婦みたいな話は日常茶飯事(笑)
闇姫様のみ、お持ち帰り可です。
闇姫様、この度は相互ありがとうございました!

2013.7.15

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