happy summer! 7
十分後、集合場所にメンバーが戻ってきた。
「おせーよ、俺もうビーチボール膨らましちまったぜ」
そう言ってビーチボールをくるくると回す若の水着は、鮮やかな赤。
「遅くねーよ、お前がせっかちなだけだ」
「忍耐力のない奴め…」
すぐさま反論したネロの水着は濃いめの青地に左側に赤いクロス、呆れるバージルの水着は鮮やかな青。
「こんなところでケンカするなよ?ところで、リアラはまだか?」
若者組に釘をさす初代の水着は若より暗めの赤。
「まだ来てないな」
「女の仕度は時間がかかるもんだ。もうすぐで来るだろ」
答えた二代目の水着は黒、笑って肩を竦めた髭の水着は黒地に裾が赤。
ちなみに、男性群は全員ハーフパンツ型の水着である。
ワイワイと賑やかに男性群で話をしていると、近くで小さく声が響いた。
「あ、あの…」
声に気づき、皆がそちらを振り返る。声の主の姿に若者組は驚きで目を見開く。
ヒュウ、と髭は口笛を吹く。
「よく似合ってるじゃねェか」
「そ、そうですか…?」
声の主はリアラだった。肩で結ぶタイプの白いビキニにジーンズ素材の青いショートパンツを履いており、髪はヘアゴムで高い位置にまとめている。
おそるおそる尋ねるリアラに、二代目と初代も頷く。
「ああ、よく似合ってる」
「それにかわいいしな」
初代に頭を撫でられ、リアラは恥ずかしそうに俯く。
「お前等は何か言ってやらねェのか?」
髭に言われ、若者組ははっと我に返る。
「お、おう、すごく似合ってるぜ!」
「ま、まあ…いいと思うぞ」
「…悪くはない」
「ん、ありがとう…」
若達にも褒められ、リアラは照れながら微笑む。
その様子を優しく見守っていた初代が口を開く。
「じゃあ準備もできたし、さっそく泳ぐか?」
「うん!」
「いい返事だ。じゃあ、俺が泳ぎ方教えてやるよ」
「はい、お願いします!」
「坊やも教えてもらっとけ」
「言われなくてもわかってるよ!」
「まあまあ、そんな怒るなよ」
「俺も教えるから大丈夫だ。心配するな」
「…おう」
「なあ、もういいか?俺そろそろ行きたいんだけど」
我慢できないといった風に頬杖をつきながら若が呟く。
苦笑しながら髭が答える。
「ああ、悪いな。そろそろ行くか?」
「そうだな」
「おし、じゃあ行くか!」
初代の言葉を皮切りに、リアラ達は勢いよく海へ飛び出した。
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