上手くなった理由(わけ) 1
暖かな陽射しが降り注ぐ中、リアラは事務所近くのスーパーに買い物に来ていた。
店の中を歩き回り、どの食材が安いか確認して、リアラは今日の献立を決める。
(今日は鶏肉が安いから、鶏のトマト煮でも作ろうかな)
昼食を作るために必要な材料を籠に入れ、夕食の分の材料も入れるとリアラはレジに向かう。
だが、レジに向かう途中で、リアラは足を止めた。
リアラが見ているのは果物のコーナー。色とりどりの果物が並び、どれもおいしそうで目を引く。その中でも、リアラはある果物に目を留めていた。
(苺…)
視界を赤く埋め尽くすたくさんの苺。その上にはプレートが立ててあり、 『お買い得品!』と書いてある。
(そっか、もうそんな時期か…)
今、暦は5月。ちょうど苺の時期だ。
(安い…)
時期なだけあって、普段に比べて安い。それに、大粒のみずみずしい、鮮やかな赤い姿は、とても食欲をそそられる。
その時、ふっと苺好きな事務所の主の姿がよぎった。
(………)
しばらく悩んだ末、リアラは苺のパックを2つ籠に入れた。
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