夏色ティータイム 3
「よくこのお店に来てるので、店長さんとは顔見知りなんですけど…今日みたいに私が男の人と来るのは初めてなので、『彼氏さんかい?』って…」
そうです、って答えましたけど…そう言ったリアラにダンテは目を瞬かせると、次にはククッ、と笑いを堪える。
「なるほどな、確かにそんなことを言われちゃあ、顔も赤くなるな。リアラはウブだからな」
「なっ…!からかってるんですか!?」
「かわいいって言ってるんだ」
怒るリアラの頭を撫で、それに、とダンテは続ける。
「彼氏かって聞かれて、そうだって答えてくれたんだろ?俺はそれが嬉しいんだ」
自分はリアラが恋人かと聞かれればそうだとすぐ答えられる。しかしリアラの性格上、自分が恋人かと聞かれてもすぐにはそうだと答えられないだろう。それでも、恥ずかしがりながらもそうだと答えてくれた彼女の気持ちが嬉しくて。自分を恋人なのだときちんと認識してくれているのが、今更ながらも実感できて。
「…っっ!!」
それを聞いたリアラの顔が先程とは比べ物にならないくらいに真っ赤に染まる。何かを言いたそうにパクパクと口を動かすが言葉にならず、最後には諦めたのか後ろを振り返る。
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