家事だって大変なんです 1
「なーディーヴァー、デートしようぜ、デート」
「今ご飯の後片付けしてるでしょ、それにこの後は事務所の掃除があるからだーめ。どうしてもって言うなら、午後からね」
「えー…」
「えー、じゃないの。ダンテは暇かもしれないけれど、あたしは家事で忙しいんだからね」
カチャカチャと皿を洗いながらディーヴァは言う。
今朝、朝食を食べ終わった後に突然ダンテがデートをしようと言い出した。まあ、ダンテの唐突な行動なんていつものことだし、デートに誘ってくれるのはとても嬉しいことだ。
だが。
「最近、依頼もないし、デートって称して出かけてばっかりでしょ。お金使ってばっかりだと、すぐなくなっちゃうよ?」
「ないのはしょうがないだろー?」
「だからって毎日毎日出かける!?大体、ダンテが選り好みしなきゃ、もう少しお金が入ってます!」
ソファに寝そべりながら間伸びした声で言うダンテに、ディーヴァは次第に苛つき始める。
「最近仕事が忙しくてちゃんと掃除できてないんだから、この機会にしっかりやっておかなくちゃ。日用品だって足りない物があるかもしれないし…ああ、もう何か考えるの疲れる…」
(あー…だいぶ疲れ溜まってるな…)
ため息をつくディーヴァの様子に、さすがにこれ以上出かけようとは言えず、ダンテはどうしようかと考える。
ふいに、ダンテはある一つの案を思いついた。
「なぁ、ディーヴァ」
「何?」
億劫そうにディーヴァが振り返ると、ダンテがこちらを見てニヤニヤと笑っている。
(あ、何か嫌な予感がする…)
ディーヴァがそう思うと同時にダンテが口を開いた。
「あのさ…」
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