shopping time! 1

「だいぶ寒くなってきたねー」

「そうだね。もう少ししたら雪が降るね」

「うーん、雪は好きだけど、寒いのはなあ…」

「ふふっ、風邪ひかないように気をつけてね?はい、紅茶」

「ありがと、リアラ」

「どういたしまして」


リアラの差し出してくれたティーカップに口をつけ、ふう、とティナは息をつく。
11月、季節は秋から冬へと移り変わり始めている。三日前にフォルトゥナから遊びに来たリアラと共に窓の外を眺めながら、ティナはゆっくりとお茶の時間を楽しんでいた。ちなみにダンテとネロは依頼で外に出ている。


「ダンテ達、もう少しで帰ってくるかな」

「そうだね。帰ってきたら、温かい紅茶淹れてあげなくちゃ」

「この紅茶おいしいから、二人とも喜んでくれると思うよ」

「ふふっ、ありがとう」


和やかに会話を交わしながら、二人はお茶を飲む。普段は事務所に女一人のティナにとって、時々遊びに来てくれるリアラとのお茶の時間は貴重で楽しいものだ。
ふと、何かを思いついたのかティナが口を開く。


「ね、ダンテ達が帰ってきたら、みんなで出かけない?」

「みんなで?」

「うん。リアラ、もう少しでフォルトゥナに帰っちゃうでしょ?せっかくだし、そういうのもいいかなーって」


今回のリアラの滞在期間は五日、すでに半分過ぎているし、やたらと依頼が重なってみんなで出かける機会がなかったのだ。


「それに、依頼でダンテと出かけることはあっても、買い物とかで出かけることはなかったでしょ?せっかくだし、ね?」

「ティナったら…」

「ふふ、まあいいじゃん。二人が帰ってきたら誘ってみようよ」

「…うん」


恥ずかしいとは思いつつも内心嬉しいのだろう、微笑んで頷くリアラにティナが笑いかけたその時、ギィ、と玄関の扉が音を立てて開いた。


「戻ったぞー」

「あー、さみぃ」


ギィ、と音を立てて玄関の扉が開き、ダンテとネロが姿を現した。気づいたティナとリアラが出迎える。


「あ、二人とも、お帰りー」

「お帰りなさい、ダンテさん。ネロもお帰り」

「おう」

「ただいま、リアラ」


ネロとティナがいるにも関わらず、ダンテはリアラの額にただいまのキスをする。キスをされたリアラは顔を真っ赤にして抗議する。


「ま、また…!ダンテさん、二人がいる前では止めてくださいって何回も言ったじゃないですか!」

「別にいいだろ、恋人同士だし」


けろりとした顔で言うダンテによくないです!と叫ぶリアラ、そしてそのやり取りを呆れと同情の目で見るネロとティナ。

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