my mermaid 11

岸に降り立つと、ダンテはディーヴァに声をかける。


「ディーヴァ、どうだ、元の姿に戻っ…」

「ダンテ、ストップ!」


顔を上げようとしたダンテに、慌てた声でディーヴァが叫ぶ。ダンテは顔を上げかけた体勢のまま止まってしまう。


「どうしたんだよ、いきなり…。まさか、元の姿に戻れなかったとか…」


不安そうに言うダンテに、ディーヴァは首を振る。


「違うの、そうじゃなくて…!元の姿には戻れたんだけど…その、今、下着つけてなくて…」


言い辛そうにごにょごにょと口ごもりながら、ディーヴァは答える。
人魚の姿の時、なぜか胸には貝殻でできた下着(水着?)のようなものが着けてあり、本当に童話の人魚姫みたい、なんてディーヴァはのほほんと考えていたのだが、恐らく悪魔の魔力でできていたのだろう、元の姿に戻るとともにそれは消えてしまって、今のディーヴァは下だけ履いた、あられもない姿だった。
ディーヴァの言葉の意味を察したダンテは、慌てて後ろを向いて自分の着ていたコートを差し出す。


「早くこれ着ろ!」

「え、でも濡れちゃう…」

「いいから!誰かに見られたらどうするんだよ!」


というか、オレが耐えられない。間違って見てしまったら、絶対理性が飛ぶ。
ぐるぐると考え込むダンテの言葉に慌てたのか、ディーヴァは急いでダンテの手からコートを受け取り、袖を通す。


「えっ、と…ダンテ、もういいよ」


声をかけられ、ようやくダンテが後ろを振り返ると、コートの合わせ目をぎゅっと掴み、自分を見上げるディーヴァの姿。そのかわいさにあやうく襲いかけたが、ぐっと堪え、ダンテはディーヴァに近づく。


「身体に違和感感じたりしないか?」

「うん、大丈夫。どこも変なトコないよ」

「そっか…」


ホッと安堵の息をつき、ダンテはディーヴァをぎゅっと抱きしめる。


「よかった…ディーヴァが泡になって消えちまわなくて…」

「だから言ったでしょ、あたしは泡になって消えたりしないよって。ずーっとダンテの傍にいるよ」

「ああ…そうだな」


顔を上げ、二人はお互いを見つめる。自然と距離は縮まり、お互いの唇が重なった。
顔を離し、くすりと笑みを零し合うと、立ち上がったダンテがディーヴァに手を差し出す。


「…帰るか」

「そうだね、帰ろ」


お互いの存在を確かめ合うように手を繋ぎ、二人はその場を後にした。



***
闇姫様宅DMC夢主ちゃんが9月29にお誕生日ということで、記念に書かせて頂きました。ディーヴァちゃん、お誕生日おめでとう!
リクエストが『悪魔の呪いで人魚になっちゃったディーヴァちゃん』だったのですが、なかなか文章が浮かばず、こんなに時間がかかってしまいました…すみません闇姫様、ディーヴァちゃんの誕生日前からリクエスト頂いて書いてたのに…!
童話のくだりも入れてほしいとのことで、闇姫様から頂いたディーヴァちゃんとダンテの台詞をほぼそのまま使わせて頂きました(笑)もちろん、それ以外は自力ですよ?(笑)
『3』から『1』に変わる頃のダンテとか、ディーヴァちゃんの口調とかがんばったのですが、ダンテがいつも通りな気が…(^ ^;)
闇姫様のみお持ち帰り可です。

2014.10.10

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