my mermaid 8

日も沈み、辺りが闇に包まれた頃。


「だいぶ暗くなってきたな。そろそろ悪魔が現れる頃合いか」

「うん、そうだね」


海を見つめるダンテの隣りには、なぜかディーヴァの姿。なぜディーヴァがここにいるかというと、ディーヴァが一緒に行かせてほしいとダンテに頼んだからだ。
悪魔を倒せば元の姿に戻れるだろうが万が一ということもある。そのため、危険を承知でダンテに頼み込んだ。最初、ダンテは困った顔をしていたがディーヴァの頼みを断れず、渋々頷いた。


「でも、本当にいいのか?お前が囮になって悪魔を誘い出すなんて…」

「うん。だって悪魔は海の中にいるんでしょ、だったら岸まで誘い出さないとダンテ戦えないじゃない。それにあたしは今人魚みたいな姿をしてるんだもん、泳ぎなら大丈夫だよ」


心配そうに尋ねるダンテにディーヴァは頷く。
悪魔をどうやって倒すかという話になった時、ディーヴァが一つの作戦を立てた。それは、自分が囮になって悪魔を誘い出し、姿を現したところでダンテが倒す、というものだ。
泳ぎには自信があるし、今の姿ならおそらく水中での呼吸には問題ないだろう。ここに来た以上、ただ見ているだけなんて嫌なのだ。


「それに、絶対ダンテが守ってくれるでしょ」

「ディーヴァ…」


その言葉に目を見開いたダンテだが、次の瞬間にはいつもの不敵な笑みを浮かべて。


「当たり前だろ。悪魔なんかにオレのディーヴァを渡してたまるかってんだ」


屈んでディーヴァの頬にキスすると、ダンテは彼女の頭を撫でる。


「じゃあ、よろしく頼むな、ディーヴァ」

「任せて!」


ディーヴァは笑って頷いた。

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