my mermaid 5

「はぁ…」

「大丈夫か?」

「うん、大丈夫。ありがと、ダンテ」


水の満たされた浴槽の中で、ディーヴァは苦笑する。
この姿になったせいかいつもより喉が渇きやすく、肌の水分が失われていくような気がする。帰る時も飲み物で水分をこまめに補給しないと呼吸がし辛かったし、今だってダンテが用意してくれたこの中にいないと満足に動けない。まるで陸に打ち上げられた魚だ。ー人魚のような姿だから、あながち間違ってはいないけれど。


「にしても困ったな…あの悪魔を倒さないと元の姿に戻れねえだろうし…」

「やっぱり?うぅ、早くいつもの姿に戻りたいよー、この姿だとすごい不便だし…」

「そうだな。人魚姫なディーヴァもかわいいけど、やっぱりオレはいつものディーヴァがいい」


そう言うとディーヴァの頬にキスし、彼女を真っ直ぐに見つめてダンテは言う。


「絶対、元の姿に戻してやるから。だから、ちょっとガマンしてくれな」

「…うん」


目を細めて笑い、ディーヴァは頷いた。

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