my mermaid 3

「楽しかったー!」

「そりゃ何よりで。そろそろ日も暮れてきたし、帰るか」

「そだね、早く帰らないと暗くなっちゃう!」


楽しい時間というのはあっという間なもので、空は夕焼けで赤く染まっている。
海を眺めていたディーヴァが振り返り、ダンテの元に駆け寄ろうとした、その時。

ザバッ

「え…きゃっ!」

「ディーヴァ!」


突然、海から何かが伸びてきてディーヴァの足を掴んだ。驚いて転んだディーヴァを強い力でひっぱる。


「や…っ、ダンテ!」

「っの、ディーヴァを離しやがれ!」


叫んだダンテは地面を蹴って高く飛び上がり、ディーヴァの足を掴むものに蹴りをくらわす。強力なダンテの蹴りに怯んだのか、それはディーヴァの足を離して海の中へと戻っていく。
が、次の瞬間、海の中で二つの光が煌き、ダンテに向かって白い光が飛んできた。


「ハッ、んなもんオレには当たらねえよ!」


速さのあるそれをダンテは身軽に避ける。だが。


「きゃぁっ!」

「!ディーヴァ!?」


白い光は生き物のように動き、今度はディーヴァに向かった。自分に向かってくるとは思わなかったディーヴァはその光を身体に受けてしまう。
目を見開くダンテの背後で、女の笑う声が響く。


『ふふっ…また一人、かわいいお魚さんの出来上がりね』


ひとしきり笑うと、その声を残し、二つの光はフッと消えてしまった。

[ 164/220 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -