my mermaid 2

「わぁ、きれい…!」


ダンテが運転するバイクに乗って二人がやってきたのは、以前遊びに来た場所。夏も過ぎたからか人はおらず、波の音だけが辺りを満たしている。


「静かだな」

「今の時期来る人は少ないもんね。あたしとダンテくらいかな」


冗談めかして笑いながら、ディーヴァは海に近づく。そして何を思ったか、靴と靴下を脱ぐと、片足をそっと海に浸けた。


「ひゃっ、冷たーい」

「おーい、そんなことして風邪ひくなよ?」

「だいじょぶだいじょぶ、あたしだってそんなやわじゃないよ。んー、慣れると気持ちいー」


濡れないようにスカートの端を持ち、水を蹴ってはしゃぐ姿は見ていて微笑ましい。ダンテが優しい笑みを浮かべて見守っていると、ディーヴァがこちらを振り向いた。


「ね、ダンテもおいでよ!けっこう楽しいよ!」

「はいはい、今行きますよ、オヒメサマ」


こちらに向かって手を差し伸べるディーヴァに吸い寄せられるように、ダンテは彼女の元に向かって歩き始めた。

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