my mermaid 1

夏も終わりを迎え、秋へと移り変わり始めた、ある日のこと。


「ね、ダンテ!海行こ、海!」

「海?今からか?」


突然のディーヴァの言葉に、ダンテは首を傾げる。
今は9月、入れないこともないだろうが最近は肌寒い日が続いている。海の水も冷たいだろうし、ディーヴァが風邪でもひいたら大変だ。
ダンテの顔を見て言いたいことを察したのか、笑いながらディーヴァが言う。


「言っとくけど、海に入りたいわけじゃないよ?ただ海を見たいだけ」

「見る?」

「うん。今日は天気がいいから、見に行くにはちょうどいいかなーって思って」


ああなるほど、とダンテは納得する。今日は珍しく暖かい日で、散歩するには絶好の日和だ。それに、愛しいディーヴァの言うことならダンテに断る理由はない。


「わかった、ディーヴァがそう言うなら行ってみるか」

「本当!?ありがと、ダンテ!じゃあ着替えてくるね!」

「ああ」


ディーヴァは嬉しそうに二階への階段を上がっていく。その後ろ姿を見送りながら、自分も出かける準備をするためにダンテはソファから立ち上がった。

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