漆黒の闇に踊る 13

「ここです」


そう言ってリアラが足を止めたのは、小さいシルバーアクセサリーの店だった。滅多に寄らないそこに、髭は首を傾げる。


「何かほしいもんでもあるのか?」

「ほしい物、と言うよりは、頼んでた物があって」

「頼んでた物?」

「はい。すぐ戻りますから、ちょっと待っててもらえますか?」

「ああ」


髭が頷くとリアラは店の中に入る。髭が窓の中から店の中を覗くと、リアラが店員と楽しそうに会話を交わしている。そして、店員から小さな紙袋を受け取ると頭を下げ、店から出てきた。


「お待たせしました」

「もういいのか?」

「はい、用事は済みましたから」


行きましょう、と再び手を引くリアラに首を傾げながらも、髭は歩き出した。

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