漆黒の闇に踊る 11
リアラが一階に下りると、朝食を食べていた初代がこちらに気づいた。
「おはよう、リアラ」
「おはよう、初代」
リアラが挨拶を返すと、初代は椅子から立ち上がってリアラに近づく。
「かわいい格好してんな。どっか出かけんのか?」
「う、うん…今日はダンテさんの誕生日だから」
「そういえばそうだったな。楽しんでこいよ」
「うん…」
初代に頭を撫でられ、リアラは頬を染めながら頷く。
「リアラ」
その時、後ろから声がかかった。それと同時に逞しい腕がリアラを包み込む。
リアラは頭上を見上げる。
「ダンテさん」
「だいぶ悩んでたみたいだな、珍しく時間かかってたぞ」
声の正体は髭だった。髭はリアラの頭を撫でると、リアラの姿に満足そうに笑みを浮かべる。
「俺が買った服を着てくれたんだな。よく似合ってる」
「あ、ありがとうございます…」
初代に褒められた時よりも顔を赤くするリアラ。二人の甘い雰囲気にやれやれと肩を竦めながら、初代が言う。
「そろそろ朝飯食ったらどうだ?出かける時間なくなるぞ」
「そうだな、早く食べて出かけるか」
「あ、はい」
頷き、リアラは髭とともにいつも食事をするテーブルに向かった。
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