漆黒の闇に踊る 11

リアラが一階に下りると、朝食を食べていた初代がこちらに気づいた。


「おはよう、リアラ」

「おはよう、初代」


リアラが挨拶を返すと、初代は椅子から立ち上がってリアラに近づく。


「かわいい格好してんな。どっか出かけんのか?」

「う、うん…今日はダンテさんの誕生日だから」

「そういえばそうだったな。楽しんでこいよ」

「うん…」


初代に頭を撫でられ、リアラは頬を染めながら頷く。


「リアラ」


その時、後ろから声がかかった。それと同時に逞しい腕がリアラを包み込む。
リアラは頭上を見上げる。


「ダンテさん」

「だいぶ悩んでたみたいだな、珍しく時間かかってたぞ」


声の正体は髭だった。髭はリアラの頭を撫でると、リアラの姿に満足そうに笑みを浮かべる。


「俺が買った服を着てくれたんだな。よく似合ってる」

「あ、ありがとうございます…」


初代に褒められた時よりも顔を赤くするリアラ。二人の甘い雰囲気にやれやれと肩を竦めながら、初代が言う。


「そろそろ朝飯食ったらどうだ?出かける時間なくなるぞ」

「そうだな、早く食べて出かけるか」

「あ、はい」


頷き、リアラは髭とともにいつも食事をするテーブルに向かった。

[ 149/220 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -