漆黒の闇に踊る 10

悩みつつもようやく服を決めたリアラは、支度を終えて鏡で自分の姿を確認する。


「んっと…これでいい、かな」


多少不安ながらも頷き、リアラは扉に向かう。
扉を開けた時、同じタイミングで向かいの部屋の扉が開いた。


「あ…」

「えっと…おはよう、ネロ」


ネロと鉢合わせになったリアラはぎこちなく口を開く。
リアラは肩の開いた白いニットワンピースを着ていた。編み目の入ったそれは少しタイトで、彼女の身体のラインがうっすらと出ている。中に水色のキャミソールを合わせ、足には黒いストッキングを履いている。緩く巻かれ、白いシュシュで片方にまとめられた髪がフワフワと揺れている。
滅多に見ない格好にネロが動きを止めていると、不安そうにリアラが尋ねる。


「…変、かな?」

「い、いや…似合うと、思う」

「本当?…ありがとう」


嬉しそうに笑うリアラに、ネロは頬を染めて視線を逸らす。


「ネロも出かけるの?」

「あ、ああ…キリエに会いに」

「そっか。久しぶりの休みだし、ゆっくりしてきてね。あ、前にネロに相談した物、今日取りに行くよ。協力してくれて、本当にありがとう」

「力になれたならよかった。リアラも楽しんでこいよ」

「うん」

「じゃあ、俺は先に行くな。じゃあな、リアラ」

「うん、行ってらっしゃい」


駆け足で階段を下りていくネロを見送り、リアラも下に下りるために廊下に出た。

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