漆黒の闇に踊る 9
翌朝、リアラはカーテンの隙間から差し込む朝日で目が覚めた。
「ふぁ…」
一つあくびをすると、ぐっと背伸びをする。すると、隣で小さく身動ぎ、布団から髭が顔を出した。
「んん…早いな、リアラ」
「いつもと同じ時間ですよ。ダンテさんが寝過ぎなんです」
少し呆れたように言うと、何かに気づいたのかリアラはくすりと笑みを溢す。
「寝ぐせついてますよ、ダンテさん」
リアラが手を伸ばし髭の髪を梳いてやると、髭は気持ちよさそうに目を細める。
「気持ちよくてこのまま寝ちまいそうだ」
「だめですよ、今日は出かけるんでしょう?それとも、今日は寝て終わりにします?」
「…いや、せっかくリアラと出かけられるのに、寝てるのはもったいない」
少し拗ねた声音で話すリアラに苦笑し、髭はゆっくりと起き上がる。
「おはよう、リアラ」
「…おはようございます、ダンテさん」
挨拶と同時に頬にキスをされ、リアラは頬を赤く染めながら返す。恋人のかわいらしい反応に笑みを浮かべると、髭はぐっ、と背伸びをする。
「さて、と。さっさと着替えて朝飯食って出かけるか」
「あ、はい」
リアラが頷くと、髭は柔らかな笑みを浮かべ、くしゃりとリアラの頭を撫でる。
「じゃあ、後でな。楽しみにしてる」
「…うん…」
こくりと頷いた恋人に、髭は笑みを深めるのだった。
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