漆黒の闇に踊る 7
「…すまん」
「わかればいいです」
リアラはため息をつく。
このメンバーの実質的なリーダーは二代目なのだが、リアラはこの発言をする権利がある。それはなぜかというと、リアラがメンバーのコードネームを付けた名付け親だからだ。
この事務所『DevilMayCry』を立ち上げ、仕事をするとなった時、仕事中に名前で呼びあうのは身元がバレて危険だろうということで仕事での呼び名―コードネームを決めることになったのだが、みんな言いたい放題でなかなか決まらず、見かねたリアラがみんなのコードネームを決めたのだ。
リアラはそれぞれの性格や持ち物、愛称からコードネームを決めた。双子である若とバージルは赤と青のイメージから、宝石の名前からコードネームを取り『ルビー』と『サファイア』、初代はその愛称から思い浮かべ、トランプの柄からコードネームを取り『エース』、髭は薔薇が好きなことから薔薇の部位からコードネームを取り『トールン』、二代目は寡黙な性格からコードネームを取り『サイレン』、ネロは彼が持つブルーローズという銃とレッドクイーンというパソコンの名から赤と青、両方を持つということからコードネームを取り『バイオレット』となった。
ちなみにリアラのコードネームである『バタフライ』は髭が付けたもので、彼いわくリアラの戦い方と女性らしい物からイメージしたらしい。
一旦落ち着いたところで二代目がまとめる。
「とりあえず、今日の報告会はこれで終わりだ。みんな、明日はゆっくり休んでくれ」
「じゃあ夕飯だな!今日の当番は?」
「私とネロだよ」
「お、リアラとネロか!二人の作ったもんならうまいこと間違いなしだな!」
「そんなに褒めないで、プレッシャー感じちゃう」
「お前の作ったものなら何でもうまいだろ。心配しなくても大丈夫だ」
「もう、ダンテさんったら…」
リアラは苦笑すると、その場にいた皆に尋ねる。
「みんな、何か食べたい物はある?」
「「「「ピザ」」」」
「見事にハモったな…さすが『ダンテ』」
「ピザなんて油っこい物が食えるか」
「うーん、じゃあバージルは別で何か作ってあげるね。ネロも別な方がいいよね?」
「俺もおっさん達と同じでいいよ。別で作るの大変だろ?」
「本当?ありがとう、ネロ」
「リアラ、うまいピザ頼むぜ!」
「はいはい」
賑やかに会話を交わしながら、リアラ達は事務所に戻っていった。
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