漆黒の闇に踊る 4
リアラ達が事務所に戻ると、事務所の扉が開き、二匹の白い狼が出てきた。
その姿を見たリアラは嬉しそうに名を呼ぶ。
「フレキ、ゲリ!」
リアラが身を屈めて両手を広げると、フレキとゲリは嬉しそうにリアラに飛びつく。
「1ヶ月ぶりね、元気にしてた?」
リアラが尋ねると、二匹はワン!、と元気よく鳴いた。よほど嬉しいのか、千切れそうなほどブンブンとしっぽを振っている。
フレキとゲリは2年前にリアラが仕事先で出会った狼で、動物兵器の研究をしていた施設に実験台としていたのをリアラが助けた。知能を高める研究をしていたらしく、二匹とも頭がいい。事務所の皆に懐いているが、特に、一番面倒を見ていたリアラによく懐いていた。
リアラが二匹の頭を撫でていると、再び事務所の扉が開き、一人の男性が姿を現した。
「おかえり、リアラ」
「あ、二代目。ただいま!」
顔を上げてリアラが笑うと、男性―二代目も微笑む。
「疲れてるところ悪いが、レディが待ってる。依頼の物を渡してやってくれ」
「もう来てんのかよ、相変わらず早いな」
「いつものことだ。さ、みんな中に入ってくれ。ここで話をするのもなんだろう?」
二代目に促され、リアラ達は事務所の中に入った。
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