漆黒の闇に踊る 2

物陰を移動しながら、女は男達と銃撃戦を繰り広げる。女の精密な射撃で男達が次々と倒れていくが、相手の応援が次々と来て、数は全く減らない。


(やばい、そろそろ弾がなくなる…!)


手元に残る弾を見て、女は焦りの色を見せる。このままでは、敵にやられるのも時間の問題だ。


(こうなったら、怪我をしてでも目的の物を取るしかない…!)


女は部屋の中央に設置されている管に目をやる。怪我を覚悟で女が立ち上がった、その時。


「伏せてろ、『バタフライ』!」


聞き慣れた声に女は急いで身を屈める。次の瞬間、派手な爆発音が響き、部屋全体が揺れた。怯む男達に声の主は先程弾を吐き出したばかりのミサイルランチャーを振り回し、男達にぶつけた。


「ぐおっ!」

「ぐっ!」


突如現れた人物の猛攻に次々と倒れていく男達。男達を薙ぎ倒しながら、声の主は叫ぶ。


「今だ、目的のもんを取れ!」


その言葉に従い、女は物陰から飛び出すと中央の管に向かって走る。先程のミサイルランチャーによって破壊されたガラス製の管の中から琥珀色に輝く宝石を取り出すと、無線の向こうの仲間に声をかける。


「目的の物、回収完了!逃げ道の確保をお願い!」

『了解!』


返事を聞くとともに、女は一旦管から離れる。次の瞬間、大きな爆発音とともに天井に穴が空き、一本のワイヤーと取っ手のような物が下りてきた。
男が取っ手に掴まり、女に手を伸ばす。女が男の手を掴むと、男は女の身体を引き上げ、腰をしっかりと支える。
部屋から脱出する中、女は最後の一撃とばかりに二個目の閃光弾のピンを引き抜き、部屋に投げ下ろした。

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