幸せのレシピ 8
「リアラ、口開けろ」
「?」
首を傾げながらもリアラが口を開けると、ひょいっと口の中に何かが入れられた。それは、自分の作ったタルトで。
「!」
「うまいだろ?」
目を見開くリアラに悪戯っぽく笑いかけ、ダンテはフォークを差し出していた手を戻す。いわゆる、これは『あーん』というやつで。しかも、差し出されたフォークは先程まで彼自身が使っていた物で。
「!!!?!?」
たちまち真っ赤になってしまったリアラに、ダンテはクッと喉を鳴らして笑う。
「何だ、間接キス気にしてんのか?昔はよくやってただろうに」
「そ、それは小さい頃の話です!」
必死に反論するリアラがかわいらしく、ダンテは必死に笑いを堪える。
「悪い悪い、今度はやらないから」
「…絶対ですよ」
むぅ、と口をへの字に曲げるリアラを宥めるように彼女の頭を撫でると、ダンテはリアラにお願いする。
「まだあるんだろ?全部食べるから、こっちに持ってきてくれよ」
「全部ですか?呆れた…」
「どっちにしろまた食べるさ。な、いいだろ?」
「…仕方がないですね」
ため息をつきつつもどこか嬉しそうに、リアラは立ち上がってキッチンへと向かう。その後ろ姿を、ダンテは柔らかな笑みで見つめていた。
***
土間様のサイトが20000hitしたということで、お祝いに書かせて頂きました。
リクエストは『食べ物ネタで、苺をテーマにした話』でした。土間様いいところに目をつけてくださった!うちの子はダンテと同じく、苺が好きなのです。喜んで書かせて頂きました(笑)
料理はレシピを調べながら、うちの子なら効率よく作るだろうなと思って計算しながら書きました。ちなみに、管理人はこんな器用なことできません←
自分のためを思って作られた料理って絶対おいしいですよね。そして、一人で食べるよりも二人で食べた方がおいしい。会話をして、楽しみながら食事ができる訳ですから。
ダンテは長い間一人でいたから、一人で食べることに慣れているけれど、うちの子が来てから誰かと一緒に食事をする幸せを感じていればいいですよね(*^^*)
今後は寄り道せずに帰ってくるでしょう、ご飯食べるために(笑)
拍手で出した棚とかマグカップを文章に出せなくてすみません…。本当は書きたかった(・ω;`)
妄想でダンテは赤いマグカップ、うちの子は水色のマグカップにしてやってください!
あと、『あーん』は何となくやってみたかっただけです(笑)おじさんならためらわずにやるでしょうね(笑)
土間様、20000hitおめでとうございます!
2013.12.13
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[mokuji]
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