ハラハラドキドキプチ旅行! 8
「リアラお姉ちゃんって、髭さんと一緒にお風呂入ったことあるでしょ?恥ずかしくないの?」
「一緒に入るっていうよりは、半ば無理矢理に入られてるようなものなんだけどね…。時々ああいうことするんだよね、ダンテさん」
はぁ、とリアラはため息をつく。
恋人になってからというもの、時々だが自分がお風呂に入っている時にわざわざ入ってくる。止めてほしいと思うのだが、自分の反応を見ておもしろがっているようで、止めるに止められないのだ。
リアラの言葉にあー…、とディーヴァは呟く。
「そういえばそうだったかも…」
「裸だから焦っちゃうし、あっちも腰にタオル巻いただけだし…その上、『髪洗ってくれ』ってせがまれちゃうから逃げられないし…」
緊張する…、と困った顔で呟くリアラ。
リアラの顔を覗き込み、ディーヴァは尋ねる。
「やっぱり恥ずかしい?」
「それは、まあ…」
ただ、とリアラは続ける。
「髪洗うのが、嫌いなわけじゃないんだよ?」
「そうなの?」
ぱちぱちとディーヴァは目を瞬かせる。恥ずかしそうに手を組み、おずおずとリアラは口を開く。
「髪洗ってて、気持ちよさそうにしてくれてると嬉しいし…お風呂上がりに髪拭くのも、仕方がないなと思いながらも甘えてもらえるのが嬉しくて…」
それに、とリアラは続ける。
「私も、ダンテさんの髪触るの好きだし…触ってて気持ちいいと思っちゃうのは事実、だし…」
段々と声が小さくなっていき、ついには顔を真っ赤にしてしまったリアラに、ディーヴァは目を瞬かせながらもくすりと笑みを溢す。
「それくらい髭さんのことが好きってことだね、リアラお姉ちゃんは」
「う゛…」
言葉に詰まり、思いっきり身体を湯に沈ませてしまうリアラに、ディーヴァが再び笑みを溢した、その時。
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