甘えん坊な狼さん 4

数十分後、シャワールームからダンテが出てきた。
上半身裸のまま、肩にかけたタオルで髪を拭きながら、ダンテはピザを食べようとテーブルへと向かおうとする。だが、何となくソファで眠る彼女が気になって、ダンテはそちらへと足を向けた。
ソファに近づくと、今だにすやすやと眠る彼女の顔を見ようとかがむ。
名前はワンピースを着ており、彼女が身動ぎするごとに、裾から白い脚が見え隠れする。長い睫毛に縁どられた瞼、薄く開いた桜色の唇。そして、少しはだけてワンピースの隙間から見える胸元の谷間。


「……」


何だか誘われているような気がして、ダンテは徐々に名前に顔を近づけていく。

−チュッ

軽く唇を重ね、離してはまた重ねる。名前の唇は甘く、いくらキスをしても、もう一度、とほしくなってしまう。
やがて回数を重ねるごとにキスは深いものとなっていき、一回一回の時間も長くなっていく。
息苦しさを感じたのか、名前が唸り、うっすらと目を開けた。


「ん…」

「……」

「…え?んっ、んぅ!」


ぼんやりとした頭でぼーっと目の前を見ていた名前は、目の前にあるのがダンテの顔だとわかると目を見開いたが、すぐに口を塞がれ、声を出すことができなくなる。


「んっ、ふぅ…」

「…っは…」


ダンテの唇が離れ、ようやく呼吸ができるようになった名前は、荒い呼吸を必死に整えながら、潤んだ瞳でダンテを見上げる。


「は、っ…いきなり、何で…」

「お前が誘ってくるのが悪い」


ギシリ、と音を立ててソファに乗り上げながら、ダンテは言う。


「こんな無防備な姿晒して…」

「ひゃっ…!?」


つつ、と鎖骨から胸へと手を這わせ、胸の膨らみを触ってくるダンテに、思わず名前は腰を跳ねさせる。
ふいに、ダンテが身体を離し、名前の身体を抱き上げた。名前はダンテを見上げる。


「ダンテ…?」

「もう我慢できない」


今日は寝かせてやらない、そう言うダンテの目はギラついていて、まるで獲物を狙う狼のようだ。
名前はびくりと肩を震わせたが、やがて観念したようにダンテの首に腕を回した。
名前の行為が嬉しかったのか、ダンテの瞳が少しだけ和らぐ。


「…せめて、優しくして?」

「お望み通りに、お姫様」


額にキスをされ、くすぐったそうに目を細めながら、名前はダンテの胸に頭を預け、そっと目を閉じた。



***
な、悩んだけど、何とか書けた…!
『かに玉。』のたまごねこ様からのリクエストで、『初代相手で、いつもはワンコって言われるけど俺だって狼なんだぞ!みたいな感じのやつ』でした。いろいろと悩んだ結果、こんな感じに…。
初代好きなのに口調よくわからないし、裏な表現入れるつもりなかったのにガッツリ入っちゃったし…。こ、こんなんで大丈夫ですか?(・ω・`;)
何気に、こうやって裏表現書いたの初めてかもしれません(笑)
たまごねこ様のみ、お持ち帰り可です。
たまごねこ様、この度は相互ありがとうございました!

2013.5.20

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