ハラハラドキドキプチ旅行! 5

髪を洗ったり、背中を洗ったりで身体を洗い終えた二人は、お湯に入らないようにとヘアゴムで髪をまとめると立ち上がる。


「じゃ、入ろっか」

「うん!」


元気よく頷き、ディーヴァが浴槽に向かって駆け出した、その時。

ツルッ

「え…」

「ディーヴァちゃん、危ない!」


足場が濡れていたためか、ふいに足を滑らせてしまったディーヴァ。転ぶ、そう思ってぎゅっと目を瞑った、その時。

ゴンッ

「…っ、いったぁ…」

「…え…」


来るはずの痛みが来ず、代わりに自分の下で聞こえたのは呻き声。
おそるおそるディーヴァが目を開けると、自分を庇ったのか下敷きになって頭を押さえて涙目になるリアラの姿が。


「リアラお姉ちゃん!大丈夫!?」

「うん、大丈夫…。ディーヴァちゃん、怪我はない?」

「うん、リアラお姉ちゃんのおかげ」

「そっか、よかった…」


ほっと安堵の息をついたリアラだったが、何かに気づいたのか顔を真っ赤にして戸惑い始めた。
ディーヴァは首を傾げる。


「リアラお姉ちゃん?」

「あ、あの、ディーヴァちゃん…胸、が…」


リアラの言葉にディーヴァが視線をずらすと、自分の胸とリアラの胸が当たって互いに押し潰されている。ようやく現状に気づいたディーヴァは顔を真っ赤にしながら慌てて身体を起こした。


「ご、ごめんね、リアラお姉ちゃん!」

「ううん、大丈夫…ディーヴァちゃん?」


ディーヴァが動きを止めたため、今度はリアラが首を傾げた。ディーヴァがポツリと溢す。


「リアラお姉ちゃん、腰細い…」


ディーヴァが見ているのは、タオルからちらりと覗くリアラの腰のライン。仕事柄鍛えているためか腰にはしっかりとくびれがあって、それでいて筋肉があると思わせない細さ。同性としてはとてもうらやましい。思わず、ディーヴァは腰のラインをなぞる。


「ひゃっ!?」


リアラは悲鳴を上げ、両手で口元を抑える。我に返って、ディーヴァは慌てて手を離す。これじゃあ若と同じではないか。


「ご、ごめんなさい!」

「あ、えと…大丈夫…」


お互いに何とも言えない空気になってしまって、顔を真っ赤にしたまま、黙ることしばし。


「…とりあえず、お風呂入ろっか…」

「そうだね、お湯に浸かって落ち着こう…」


お互いに頷き、しばし無言でお湯に浸かるのだった。

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