ハラハラドキドキプチ旅行! 4
浴衣を選び終え、部屋に荷物を置いたディーヴァとリアラは楽しみにしていた風呂に入りに、大浴場に来ていた。
「わ、広ーい!」
「本当だ…日本の宿って、こんな感じなんだね」
タオルで前を隠し、二人がガラス張りの扉を開けると、日本式の風呂場が目の前に広がった。床や浴槽が木材でできているらしく、木のいい香りがする。
「お風呂入る前に、まずは身体洗っちゃおうか」
「そうだね。あ、あたしシャンプーとリンス持ってきたんだ!リアラお姉ちゃんも使う?」
そう言ってディーヴァが上げた手には籠が提げられていて、中にはピンク色のボトルが二つ入っていた。
「いいの?」
「うん!苺の匂いだから、リアラお姉ちゃんも気に入ると思うよ」
「本当?じゃあ、せっかくだから使わせてもらおうかな」
楽しそうに会話を交わして、二人は身体を洗うために移動する。木製の椅子に座ると、リアラがディーヴァに言った。
「ディーヴァちゃん、髪洗ってあげる」
「本当?じゃあ、後でリアラお姉ちゃんの髪洗ってあげるね。洗いっこしよ!」
「ふふ、いいよ」
微笑んで頷くと、リアラはディーヴァの後ろに椅子を持って移動する。一言断ってディーヴァの髪をシャワーで濡らした後、リアラはシャンプーのボトルを押す。ピンク色の液体を適量手に取り、リアラはディーヴァに話しかける。
「痛かったら言ってね」
「うん」
ディーヴァが頷いたのを確認してから、リアラはディーヴァの髪を洗い始める。シャンプーが泡立ち始めると同時に、苺の香りが辺りに漂う。
「痛くない?」
「うん、平気」
気遣うリアラにディーヴァは頷いて返す。
リアラはディーヴァの髪を洗いながらポツリと呟く。
「ディーヴァちゃんの髪ってきれいだよね…木漏れ日みたいな色」
彼女のエメラルドティントの髪はちゃんと手入れしているのもあって、光が当たるととてもきれいだ。森の木漏れ日を思わせてとてもほっとする。
リアラの言葉に、ディーヴァは照れたように笑う。
「えへへ、ありがとう。リアラお姉ちゃんの髪もきれいだよ」
「そうかな?」
「うん。空みたいでとってもきれい」
「そっか…ふふ、ありがとう」
話しつつ髪を洗い終え、リンスを済ませるとディーヴァがリアラの方を振り返る。
「じゃあ今度はあたしの番ね。リアラお姉ちゃん、移動して」
「うん」
笑って頷くと、リアラは椅子から立ち上がった。
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