甘えん坊な狼さん 3

「I'm home」


ダンテは事務所の中に入り、辺りを見回す。
ソファの上に見慣れた姿を見つけ、音を立てないように静かに近寄る。
待ち疲れてしまったのだろう、ソファに横たわり、自分の腕を枕にしながら、名前はすやすやと眠っていた。


(やっぱり寝てたか…)


心の中で呟き、ダンテは名前の頭をそっと撫でる。
帰ってきて彼女の出迎えの言葉が聞けないのは少し寂しいが、テーブルに置いてある本を見たところ、自分が帰ってくるまで読んで待っていたのだろう。むしろ、褒めてやるべきだと思う。
ちらりと視線を移動すると、普段食事に使っているテーブルの上に食事が置いてある。近づいてよく見てみると、自分の好物のピザだった。彼女が自分のために手作りしてくれたのだろう。


(シャワー浴びた後に、温め直して食うか)


彼女の優しさに笑みを浮かべつつ、ダンテはシャワールームへと向かった。

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