伝わる優しさ 5

「リアラ」


呼ばれてリアラが顔を上げると、ダンテの手が伸びてきて、首に何かをかけられた。首元に手をやると、毛糸特有のモコモコした手触りを感じた。


「温かいだろ?」


そう言ってダンテは笑う。首元のマフラーが緩んでいるのを見るに、どうやらマフラーをずらして自分の首にも巻いたらしい。
マフラーに顔を埋め、リアラは小さく頷く。


「…うん」


再び、静寂が二人を包む。ふいに、ダンテがぽつりと呟いた。


「事務所に帰ったら何か温かいもんが飲みたいな」

「じゃあ、ココアでも作りましょうか。ハチミツ入れたらおいしいですよ」

「いいな」


顔を見合わせ、二人は笑い合う。
小さな幸せに、二人の心は温かさに包まれていた。



***
『深淵の地平線』の御倉要様と相互リンクさせて頂き、書かせて頂きました。リクエストは長編夢主とおじさんで、『外出先の公園でのんびり散歩をして、ベンチに座って一休みしている時に二人でマフラーを巻く』です。
…あれ?めっちゃ甘くなった。何でこうなったし(´・ω・)
これがこの人達の普通なんでしょうか。周りから見たら十分甘いよ←
書いている内に思ったのが、うちの子は大切な人にやることにはすごく健気になるってことです。喜んでもらえるだけで嬉しいとか、健気すぎる。
控えめで健気、何だか違う一面を見た気分です。
うちの子は家族同然のダンテだからこそ自然でいられる、ダンテは大切な人のことに対して真っ直ぐで、控えめで小さな幸せにも喜ぶ彼女だからこそ一緒にいて心地好いって関係でしょうか。お互いに影響を与え合っているような。
二人共、お互いにこういった思いやりを見せるのは、大切な『家族』だからだと思います。大切な者を失う痛みも、『家族』のいる幸せもわかってるから、お互いを思いやるんです。
何だか熱く語っちゃいました(笑)
要様、相互リンクありがとうございました!改めて、これからもよろしくお願いします!

2013.11.4

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