傍にいる存在 6
「銃の手入れも終わったけど、これからどうする?」
いつの間にか手入れを終えたテディをティナに差し出し、ネロは言う。
「そうね…晩ご飯の材料はもう買ってあるし、買い物は必要ないかな。まだ晩ご飯までには時間があるけど、二人共、何かしたいことってある?」
リアラが尋ね返すと、ティナが勢いよく手を上げた。
「はい!あたし、狼姿のリアラの背中に乗ってみたいな!」
「…へ?」
予想外の答えに、リアラは間の抜けた声を出す。ネロにとっても予想外だったようで、ポカン…と口を開けている。
「リアラ、依頼の時にダンテ乗せて走ったことあるんでしょ?あたしも乗ってみたい!」
いいでしょ?と目をキラキラさせながらお願いするティナに、リアラはうーん、と唸りながら言う。
「私に乗ってもそんなに楽しくないと思うけど…」
「乗ってみなきゃわからないって!ね、お願い!」
「まあ、ティナがそうしたいなら…」
リアラが頷くと、ティナは嬉しそうにリアラに抱きつく。
「やったー!リアラ、ありがとう!」
「はいはい。ネロは何したい?」
「俺はそうだな…リアラに手合わせしてもらいたいな。まだ一度も勝ててねえし」
「ふふ、ネロの方が努力家だと思うけどな。わかった、じゃあ、ティナのお願い叶えてからでいいかな?」
「ああ、ついでに外見回っとこうぜ、昼間でも悪魔が出ないとは限らねえし」
「そうだね、そうしよっか」
頷き、リアラは立ち上がった。
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