傍にいる存在 5

「ねえ、リアラ。リアラの銃、触ってみてもいいかな?」

「ホワイトウルフを?」

「うん、一回触ってみたかったんだ」


キラキラと好奇の視線を向けるティナにリアラはくすりと笑みを溢す。


「いいよ。ただ、重いから気をつけてね」

「本当!?ありがとう!」


嬉しそうに言うと、ティナはリアラからホワイトウルフを受け取る。
だが。


「う、おも…」


思ったよりリアラの銃が重く、ティナはぼそりと溢す。
くすくすとリアラが笑った。


「言ったでしょ、重いって。ティナの銃の2倍はあるもの」

「いや、下手したら3倍だろ。普通のコルト・ガバメントより重いぞ、それ」

「ああそっか、他の銃より頑丈に造られてるから、そうかもしれないね」


ケロリとした顔で言うリアラに礼を言って銃を返し、ティナは問う。


「そうかもしれないって…リアラは重くないの?」

「私は全然。半魔の血のおかげかな」


苦笑するリアラに、そういうものだろうか、とティナは思う。
まあ確かに、ダンテやネロを見ていたら怪力だと思わなくもないが。


「ダンテやネロの銃も重く感じないの?」

「さすがに二人の銃は重く感じるよ。ダンテさんの銃は私の銃より銃身が長いからその分重いし、それを二つも持ってるからね。たぶん、片方で2kgはあるんじゃないかな。ネロの銃はダンテさんの銃より一回りくらい大きいから、もっと重いでしょ?」


ダンテさんの銃を両手ですら扱えないもん、無理だよ、とリアラは苦笑する。
ティナは感嘆の息をつく。


「はー…。そこまでわかるんだ、すごいね」

「予想できることを言ってるだけだよ。まあ、二人の銃は特殊だけどね」


そう言い、今度はリアラが感嘆の息をつく。


「二人はすごいよ、銃を改造できるんだもの。私にはそこまでの技術はないからうらやましいなあ」

「俺はリアラの射撃技術がうらやましいよ。あれだけ動き回って、命中率が落ちないんだからな」

「私はスピード主体だから、重いのは使えないんだよ。それほど弾の威力が強くないから、なるべく多く命中させないと」


だから鍛練も必要だしね、とリアラは笑う。
感心したようにネロが呟く。


「お前、本当に努力家だよな」

「当たり前のことをしてるだけだよ」

「いや、そうやって欠かさず努力するのは並大抵じゃできないぜ。おっさんに見習わせたいくらいだ」

「だねー、まあ、ダンテは言ったってやらないだろうけど」

「だな」


肩を竦める二人に、リアラはくすくすと笑みを溢し、口を開く。


「でも、ダンテさんは強いよ。年季を積み重ねてきた分、知識も経験もあるもの」


ネロもわかるでしょ?とリアラは言う。


「まあ…それは、わかる」

「ベタ褒めだねー、リアラ。恋人だから?」


ニヤニヤと笑みを浮かべるティナに、リアラは慌てて手を振る。


「え、あ、そういうわけじゃ…!」

「あはは、冗談冗談。リアラは思ったことを素直に言ってるだけだものね」


笑って返したティナに、リアラは頬を染めて返す。


「もう、ティナったら…」

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