傍にいる存在 3
コンコン
「ネロ、私だけど。入ってもいいかな?」
「ああ」
「ありがとう、お邪魔するね」
ネロに許可をもらい、リアラとティナは部屋の扉を開ける。顔を上げたネロはティナの予想通り、銃の手入れをしていた。
「やっぱり、銃の手入れしてた」
「やっぱりって何だよ。やることねえからやってただけだ」
「まあまあ、そういらつかないで。飲み物持ってきたの、飲まない?」
「悪い、サンキュ」
銃のパーツや道具に当たらないようにコップを置くと、リアラはベッドの縁に座る。それに倣ってティナもリアラの隣りに座る。
何かを思い出したらしく、あ、とネロが声を上げた。
「そういえば、リアラに渡すもんあったんだった」
ゴソゴソと鞄を漁ると、ネロはそれをリアラに差し出す。
「わ、クロスとオイル!ありがとう、助かる!」
「ここじゃ手に入らないからな、大変だと思って」
「わざわざありがとう、ネロ!そろそろ新しいの買わなきゃと思ってたの」
嬉しそうにクロスとオイルを受け取ると、思いついたようにリアラは言った。
「せっかくだから、私も銃の手入れするね。ティナも一緒にやろう?」
「え、でもあたし、手入れの道具ないし…」
「終わったら、私の貸してあげる。それでいい?」
「それなら、いいかな」
ティナが頷くと、彼女に微笑みかけ、リアラは愛銃を取りに自室へ向かった。
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