コラボ小説 | ナノ
 animal panic! 序

そろそろ、今日最後の授業も終わろうかという時刻。
職員室へと走る一つの影。
その影は勢いよく職員室の扉を開くと、目的の人物の名を叫んだ。


「二代目、いる!?」


名を呼ばれた人物―二代目は職員室の扉の方へと目をやる。


「紅?どうし…た…」


己の名を呼んだ人物を見て、二代目の言葉が途切れる。
それに気づいた向かいの席の初代も扉の前にいる人物を見やると、あんぐりと口を開けた。
二人が言葉を無くすのも無理はない。職員室に駆け込んで来た人物は紅だったのだが、彼女の頭の上には通常ならありえないものがついていたのだから。
人間ならその場所にあるはずの耳が見あたらず、代わりにその場所より上―ちょうど頭の上に、かわいらしい黒い猫耳がついていた。よく見ると、彼女の背後で黒い尻尾が揺れている。


「……どうした?」


何とか冷静さを取り戻して、二代目は紅に声をかける。
紅は困ったように口を開く。


「それが…」