コラボ小説 | ナノ
 買い物のおとも 5

「バージル!」


ちょうど果物を買い終えたところで、バージルは声を掛けられた。声のした方へ振り返ると、若がこちらに向かって手を振っている。


「ダンテか…そっちも終わったようだな」

「おう。バージルも終わったみてえだな」

「ああ。言った物は全部買ってきたな?」

「ああ。ほら」


頷き、若はスーパーの袋の口を広げてみせる。バージルは中を覗き込んで確認すると、よし、と頷く。


「なら、早く帰るぞ。あまり遅いと文句を言われかねないからな」

「はいはい」


肩を竦めると、ダンテはバージルと並んで歩き出す。
チラッとバージルの持つ袋の中を覗き見たダンテは、お、と目を輝かせる。


「苺買ったのか!今日のデザートはストサンだな!」

「勝手に決めるな、馬鹿が。こいつらだって食べるだろう」


バージルが顎でリアラを指し示す。リアラは不思議そうに首を傾げる。


「あ、そうだったな。にしてもこの苺、うまそうだな…」

「なら、リアラに選ばせて正解だったな。今日買った果物は全部こいつが選んだ」

「そうなのかー、リアラ、いいの選んだなー」

「しあー♪」


ダンテが頭を撫でてやると、リアラは気持ちよさそうに目を閉じる。


「なーなー、今度から買い出しの時はリアラ達連れて行こうぜ」

「…ネロがいいと言えばな」


たわいもない会話を交わしながら、二人と二匹は帰路についたのだった。