▼ 買い物のおとも 5
「バージル!」
ちょうど果物を買い終えたところで、バージルは声を掛けられた。声のした方へ振り返ると、若がこちらに向かって手を振っている。
「ダンテか…そっちも終わったようだな」
「おう。バージルも終わったみてえだな」
「ああ。言った物は全部買ってきたな?」
「ああ。ほら」
頷き、若はスーパーの袋の口を広げてみせる。バージルは中を覗き込んで確認すると、よし、と頷く。
「なら、早く帰るぞ。あまり遅いと文句を言われかねないからな」
「はいはい」
肩を竦めると、ダンテはバージルと並んで歩き出す。
チラッとバージルの持つ袋の中を覗き見たダンテは、お、と目を輝かせる。
「苺買ったのか!今日のデザートはストサンだな!」
「勝手に決めるな、馬鹿が。こいつらだって食べるだろう」
バージルが顎でリアラを指し示す。リアラは不思議そうに首を傾げる。
「あ、そうだったな。にしてもこの苺、うまそうだな…」
「なら、リアラに選ばせて正解だったな。今日買った果物は全部こいつが選んだ」
「そうなのかー、リアラ、いいの選んだなー」
「しあー♪」
ダンテが頭を撫でてやると、リアラは気持ちよさそうに目を閉じる。
「なーなー、今度から買い出しの時はリアラ達連れて行こうぜ」
「…ネロがいいと言えばな」
たわいもない会話を交わしながら、二人と二匹は帰路についたのだった。