コラボ小説 | ナノ
 買い物のおとも 4

市場に着いたバージルは、まず野菜の売っている店に向かった。


「レタスとじゃがいもと玉ねぎか…」


メモを見て呟くと、バージルは野菜を手に取って見比べながら、鮮度の良い物を選んでいく。その手つきは慣れた物で、まるで主婦のようだ。
野菜を買い終え、次は果物を買うために店を移動する。再びメモを見ると、バージルは眉間に皺を寄せる。


「苺、か…。鈴やリアラは仕方ないとはいえ、どれだけ食うんだ、あいつらは」


『ダンテ』と名のつく四人はストロベリーサンデーが好物のため、苺の消費量が多い。少し控えさせるべきだろうか、と考えながら、バージルが籠に入った苺を選んでいる時だった。


「しあ!」

「…これがいいのか?」


バージルがある籠を取った時、リアラが声を上げた。バージルがその籠をリアラに近づけると、リアラはくんくんと匂いを嗅ぐ。尻尾がぱたぱたと大きく振られている辺り、これが一番おいしいものなのかもしれない。
ブイズを動物、と言っていいかわからないが、自分達よりは鼻が利くだろう。そう思ったバージルは、持っていた籠を店の店主に渡す。


「これをくれ」

「へい、まいど!」

「あとは林檎とオレンジか…。リアラ、お前が選べ」

「しあ?」

「お前の方が鼻が利くだろう、お前がいいと思った物を選べ。その方が、いい物を選べるだろうからな」

「しあ!」


任せて!とでも言うように右手を挙げ、リアラは果物を選び始めた。