コラボ小説 | ナノ
 買い物のおとも 2

「バージル、お前も若と一緒に買い物に行ってきたらどうだ?」

「…なぜ俺が行かなければいけない」

「たまには兄弟で一緒に出かけるのもいいだろ?どっちにしろ、誰か一緒に行かなきゃいけないしな」


バージルは初代を軽く一睨みした後、諦めたのかため息をついて本を閉じる。


「…さっさといくぞ、愚弟」

「はいはい、オニーチャン」


やれやれといった風に若が立ち上がると、ふいに部屋の隅にいたディーヴァがとてとてと近寄ってきた。


「ぶい…」

「お、どうしたディーヴァ?お前も一緒に行きたいのか?」


気づいた若が抱き上げて頭を撫でてやると、ディーヴァは気持ちよさそうに目を閉じる。
ブイズの中で一番怖がりなディーヴァだが、双子にはだいぶ慣れてきたようで、最近はだっこされてもあまりビクビクしなくなった。慣れてきたようで、何よりである。
ディーヴァをだっこしたまま、若が言う。


「なぁ、ディーヴァ連れていってもいいだろ?」

「まあ、お前らに一番懐いてるからな、いいだろ。ただ、ディーヴァだけだと心配だな…」


双子がついているとはいえ、ディーヴァはまだ人混みに慣れていない。一匹では心許ない。
初代の言葉にバージルは思案するような仕草をすると、先程まで自分が座っていたソファを振り返った。


「…リアラ」


バージルが名を呼ぶと、ピクリと耳を動かし、ソファの隅で寝ていたリアラが目を覚ました。


「…一緒に買い物に行くか?」

「しあ?」


こてん、とリアラは首を傾げる。バージルの意図を察して、若がリアラに近づいて言う。


「今からディーヴァ連れて出かけるんだけどさ、よかったらリアラもついてこないか?寝てばっかりもひまだろ?」


屈んで視線を合わせると、リアラはしぱしぱと目を瞬かせる。だが、言葉の意味がわかったようで嬉しそうに目を輝かせた。


「しあ!」

「よし、じゃあ行くか!」


こうして、若とバージル、ディーヴァとリアラで買い物に行くことになった。