コラボ小説 | ナノ
 買い物のおとも 1

もうすぐで昼になろうかという時間、昼食を作ろうと冷蔵庫を開けた初代が呟く。


「何もねーな…」


冷蔵庫の中はほぼ空っぽの状態で、あるのはミネラルウォーターやピザ用のチーズやバターのみ。
そういえば、と二代目が口を開く。


「今日は買い物に行かないと、とネロが呟いていたな」


今朝、依頼が入ったため、ネロと髭の二人は仕事に行っている。ここからだいぶ距離のあるところらしく、帰りは夜になるかもしれないと髭が言っていた。


「確か、冷蔵庫にメモが貼ってあったはずだが…」

「お、本当だ。…うわ、結構あるな」


初代が手に取ったメモには、食品だけでなく、洗剤やせっけんなど日用品も連ねて書かれていた。


「最近、日用品も足りないと言っていたからな。今日は荷物が多くなりそうだな」

「だな。さて、どうすっかなー…」


呟き、初代はリビングを眺めると、ある人物に近寄った。


「おい、若」

「ふぁ…何だよ、初代?」


初代が声をかけたのは若だった。ソファで横になって気持ちよさそうに寝ていた若は、まだ眠いといった風にあくびをする。


「今から買い物に行ってきてくれねーか?このメモに書いてあるやつな」

「えぇ、何で俺が…」

「お前、ひまそうにしてたからな。荷物多くなるから、誰か連れてった方がいいぞ」


ほら、と初代から手渡されたメモを見て、うわ、と若は顔をしかめる。


「多っ。これ全部かよ」

「足りねーもん全部書いてあるみたいだからな。食料も入ってるから、それがないと昼メシも作れない」

「マジかよ…。はぁ、わかった」


仕方なく起き上がった若を横目に、初代は向かいのソファで本を読んでいるバージルにも声をかけた。