▼ 秘密(?)の特訓 3
「ぶい!」
「ぶいー…」
姿を現したのはティナとディーヴァだった。
リアラは台から下りると、駆け寄って来るティナに近寄り、ぐりぐりと頬擦りをする。
「しあー」
「ぶいー♪」
嬉しそうに頬擦りし返すティナに微笑み一声二声交わすと、リアラはディーヴァに近寄る。
「しあ?」
「ぶい…」
小さいながらも言葉を返すディーヴァに微笑み、リアラはゆっくりと頬擦りする。ディーヴァは目を閉じ、大人しく、それでもどこか嬉しそうにされるがままになっている。
そんな微笑ましい光景を見ながら、ネロが台に足を乗せてストレッチをしていると、ティナが台の端っこに飛び乗ってきた。
「どうした?」
ネロが首を傾げると、ティナはネロの足をじっと見つめたかと思うと、いきなり飛び乗った。
「うおっ!?」
「ぶいぶーい♪」
ネロの足にぶら下がり楽しそうに鳴くと、ティナはネロの足を叩いてリアラに向かって一鳴きする。その意図に気づいたリアラはたたっと駆け足でこちらに来ると台に飛び乗り、ティナと同じくネロの足にぶら下がった。
「しあー♪」
「ぶいぶーい!」
「しあしあ!」
二匹はこちらを見つめているディーヴァに声をかける。しばらく迷う仕草を見せた後、ディーヴァはおずおずと台に飛び乗り、ネロの足にちょこんとぶら下がった。
「お前ら、重っ…!」
「ぶいぶーい♪」
「しあしあ!」
「ぶいー…」
さすがに三匹も乗せると足が震える。下ろしてしまいたいが、楽しそうにしている三匹を見ると何だか下ろせない。
これも鍛練だと思って耐えるしかないか、と思ったネロの耳に扉の開く音が響いた。