▼ ‐闇に咲く花‐ 6
夕闇が辺りを染めた頃。
『snow forest』の作業場下、広がる一室。一番奥の椅子に座って、ネーヴェは人を待っていた。
ネーヴェは昼間とは違う服を着ていた。白いシャツに緑のネクタイを締め、青い飾り紐のついた緑のスーツ。髪はバレッタでまとめて上にあげている。
ネーヴェのもう一つの姿―軍人としての姿だ。
その時、ギイッと軋んだ音が響き、扉が開いた。
「お待たせ、ネーヴェ」
「リアラ、久しぶり。若も一緒に来たのね」
「おう」
リアラの後ろから、若―ダンテがひょっこりと顔を出す。
「キッサは?」
「まだ来てないわ。リアラ達が一番ね」
若はリアラと一緒に来たから早かったのよね、とネーヴェが言うと、若はうるせえ、と拗ねた顔で返す。その時。
ギイッ
再び扉の軋む音が響き、影がネーヴェの元に飛び込んできた。