コラボ小説 | ナノ
 ‐闇に咲く花‐ 5

「あ、ケルベロス」

「ん?本当だ」


リアラの様子に気づいて後ろを見たダンテも声を上げる。
見慣れた影はネーヴェの飼い犬のケルベロスだった。ケルベロスは二人の元まで来ると、お座りの体制を取って二人を見上げる。


「ネーヴェから伝言だ」


ケルベロスの首に掛けられた鞄に気づくと、リアラは鞄を開けて紙を取り出す。文章に目を通した瞬間、リアラが険しい顔をした。


「どうした?」


首を傾げながらダンテがリアラの持つ紙を覗き込むと、短く、ある一文が書かれていた。

『半月の元、店に集合。
      ネーヴェ』

その伝言を見て、意味を理解したダンテも険しい顔をする。


「集合…か。何かあったな」

「うん。…今日は、ゆっくりできなさそうね」

「ああ。おっさん達に知らせてくる」

「お願い。私はバージルに知らせるわ」

「わかった」


頷き合い、二人は急いでその場を後にした。