コラボ小説 | ナノ
 ‐闇に咲く花‐ 2

街の隅にひっそりと建つ、服屋『snow forest』。あらゆる服の制作や修繕を行うこの店は、街の住人に親しまれていた。


「では、お預かりしますね」

「悪いねネーヴェちゃん、頼むね」

「気になさらないでください。じゃあ、明日またお店に来てください」

「わかったよ。じゃあね、ネーヴェちゃん」

「はい、また明日」


黒髪の女性は微笑みながら客の男性に手を振ると、預かったばかりの服を奥の工房にある依頼用の棚に入れる。
ネーヴェ―この店の女主人である。


「今日は5件か…あと2、3件来るとしても、今日中に終わらせられるかな」


すでに簡単なものはいくつか終わらせている。もう一つやっておこうかと考えたネーヴェの足元に、黒い犬がやってきた。それに気づいたネーヴェは黒い犬に微笑みかける。


「どうしたの?ケルベロス」


ネーヴェが頭を撫でてやると、黒い犬―ケルベロスは目を細めて気持ちよさそうにクゥン、と鳴く。


「心配してくれてるの?大丈夫、無理はしないから」


安心させるように微笑むと、ケルベロスはわかった、とでも言うようにワンッ!と鳴く。
その時、店の扉が開いた。