▼ happy Halloween party! 5
「それにしても色っぽい格好だな。誘ってんのか?」
雪菜の座る椅子の背もたれに手を置き、髭は視線を下へと移す。
リアラのワンピースとまではいかなくとも、雪菜のドレスは胸元が大きく開いていた。普段ほとんど露出をしない彼女だから、とても新鮮だ。
髭の視線の先に気づき、慌てて雪菜は胸元を隠す。
「ど、どこ見てんの!」
「そんな格好してるお前が悪い」
そう言うと、雪菜の顎を持ち上げ、彼女が上を見上げるような体制にすると、彼女の眼鏡に手をかける。
「眼鏡ない方がきれいだぜ」
髭が眼鏡を外そうとしたその時、雪菜が髭の額に人差し指をつけて止めた。
「はい、ストップー」
にこーっと笑うと、雪菜は髭に言う。
「私はお菓子あげたからね、いたずらはできないよ」
予想外の言葉に目を瞬かせる髭に、雪菜はハロウィンお決まりの言葉を告げる。
「trick or treat、おじさん」
髭は思案すると口を開く。
「…じゃあ、」
「私があげたお菓子を渡すのはなしね?」
考えていた手を先に封じられ、髭はぐ、と言葉に詰まる。それを見ていたたまごねこも初代に向かって満面の笑みで言った。
「初代、trick or treat !」
「え」
まさか自分も言われるとは思わず、初代はうろたえる。
雪菜とたまごねこは視線を合わせると、ニヤリと笑って向かいにいる相手に告げた。
「「じゃあ、いたずらだ」」
二人はいすから立ち上がると、二人でコソコソといたずらの相談をする。
「ちょっと、思いきったのやってみようか」
「え?どんなの?」
「えっとね…」
雪菜がたまごねこの耳元で小さく告げると、たまごねこは目を見開く。
「え、本当にそれやるの!?」
「たまには勇気出して、ね?」
「…わかった」
しっかりと頷くと、二人はそれぞれの相手の元に戻る。そして目線を合わせ、頷いた。
「「せーのっ!」」
ちゅっ。
二人共背伸びをしながら、雪菜は髭の額に、たまごねこは初代の頬にキスをした。予想外の行動に、髭と初代は目を見開く。
「なっ…!」
「〜っ!」
髭は口を押さえ、初代は声にならない声を溢す。二人共顔が真っ赤で、滅多に見ない反応にその様子を見ていた皆が驚いた顔をする。
「さ、ご飯冷める前に食べよ!」
「そ、そうだよね!食べよう食べよう!」
それぞれの相手にキスをした雪菜とたまごねこも顔が真っ赤で、若はヒュウ、と口笛を吹き、バージルは呆れたように腕を組み、2様とリアラは苦笑を溢す。
結局、食事が終わるまで四人は真っ赤だったそうな。
***
ギリギリ間に合った(^q^)
うん、管理人ズ暴走してますね、すみません。やりたかったんだ、おじさんにキス…!←
あ、ネロがいないのは、キリエちゃん所属の合唱部の発表に行ったからです。仮装しなきゃだけど(笑)なので、雪菜が持たせた銀色の狼耳と尻尾をつけていることでしょう(笑)キリエちゃんは天使かな?
もう少しでハロウィンも終わりですが、最後まで楽しみましょう!
みなさん、Happy Halloween!