▼ happy Halloween party! 2
「若、髭さん、ご飯できましたよ」
キッチンから顔を出したのはリアラだった。
リアラは狼女の格好をしている。胸元と裾がふわふわしたファーがついた白いワンピースを着ており、長い手袋のようなものをつけている。首には白いファーが、頭と腰には白い狼の耳と尻尾がついている。
リアラを見た髭はぽつりと溢す。
「…ずいぶん胸元開いてるな」
髭の言葉に、リアラは頬を赤く染め、困ったように答える。
「あー、その…。ねこちゃんの意見でこうなったみたいで…」
「あー…。嬉々として語ったんだろうな、あいつ…」
相変わらず、初代とリアラのことになると暴走するな、と内心思い、髭は肩を竦める。
「で、その衣装考えた本人達は?」
「自分が衣装着てないから着てくるって言ってましたよ。朝から仕事入ってましたし、着替えるひまがなかったんだと思いますよ」
「ふーん…」
「もう少ししたら来るだろう。とりあえず席に着いてくれ」
二人が話していると、リアラの後ろから2様が顔を出した。その手にはパスタの皿を持っている。
2様は死神の格好をしていた。フードと小さな悪魔の羽根付きの黒いマントを羽織っている。ボロボロの裾から黒いシャツが覗き、黒いジーンズを履いているため、全身真っ黒だ。唯一違う色のマントの裏地の紫が目立っている。
返事をして席に着くと、髭は肘をつく。
「そういえば、初代とバージルは?」
「初代はねこの部屋の前で待機中だ。ねこに一番に見てほしいからって待たされてる。バージルは食事ができたら下りてくると言っていた」
「じゃあ、バージル呼んでくるか?」
「いや、初代も知ってるから、初代が呼んでくれるだろう」
「そうか」
「なーなー、まだか?俺もう食べたいんだけど」
「もうちょっと待って、若。もうすぐで来るから」
リアラが若を宥めていると、2階から声がかかった。