コラボ小説 | ナノ
 その後 4

数年後ー。


「じゃあ、行ってくるな」

「行ってらっしゃい、ダンテさん」


事務所の玄関で自分を見送るリアラの頬にキスをし、ダンテは依頼先へと出かける。その後ろ姿を見送り、リアラは柔らかな笑みを浮かべる。


「さて、掃除でもしようかな」


依頼先は多少距離があるらしく、夕方に帰ってくるとダンテは言っていた。一人だとすることは限られているし、なら掃除をしてしまおうと考えて、リアラは事務所の中に入る。
水の入ったバケツと雑巾を用意したリアラはそうだ、と思い出したように言う。


「久しぶりに、あの部屋を掃除しようかな」


二階への階段を上り、リアラはすぐ近くの部屋へと入る。そこはダンテの持つ魔具を置いている武器庫で、思い出深いあの鏡も置かれていた。
懐かしそうに鏡を眺めると、リアラは絞った雑巾で丁寧に鏡を拭く。隅々まで丁寧に磨き上げると、雑巾をバケツに戻し、リアラは鏡の表面に手を置く。


「ディーヴァちゃん…」


元気に、してる?ダンテと仲よく、幸せに過ごしてる?
…会いたい。
そう、リアラが願った時だった。