コラボ小説 | ナノ
 6日目 36

気がついたらリアラの部屋だった。
同じ場所、同じ時間、世界だけが違う。
振り返れば、鏡の波紋はゆっくりと消えていき…やがてリアラとダンテを映すだけの普通の鏡になってしまった。
再び泣いてしまいそうだったが、リアラはその思いをぐっとこらえる。


「ディーヴァちゃん…ダンテ…」


会えてよかった。
貰ったガラス細工の薔薇をそっと手で包んでは、そう思う。
ガラス細工を包む手を、さらにゴツゴツとしたこちらのダンテの手が包み込んだ。


「ダンテさん…」


見上げればダンテの瞳の中に、瑠璃色の自分の瞳が映り込んでいるのが見えた。
その瞳には慈しむような愛しげな感情が浮かんでいる。


「改めてお帰り、リアラ」

「ただいまです、ダンテさん」


ダンテにゆっくりと撫でられリアラははにかむように笑った。