コラボ小説 | ナノ
 6日目 33

リアラの叫びの内容と髭を目にした時の態度でディーヴァには理解できた。
まぁた若が何か言ったに違いない。


「なんとなくわかったよ。リアラお姉ちゃん、ダンテのことはあたしに任せて。ちゃあんと言い聞かせておくから」

「ううう、ありがとうディーヴァちゃん」


コホン!
咳払いひとつ。


「…とにかく!」


気を取り直し、リアラは優しい顔になってディーヴァと若に微笑みかけた。


「買い物したり、美味しいもの食べたり、歌ったり…。2人とも、色々なたくさんの思い出をありがとう」

「たくさん思い出貰ったのはあたし達の方だよ。できることならもっと一緒にいたかったな…」

「うん、そうだね…私もそう思うよ…」

「リアラ、そろそろ行かないとこの光の波紋もいつまで持つかわからないぞ」


髭が少し焦りながらリアラに呼び掛ける。
光の波紋が波打つ間は大丈夫だとは思うが、いつまで持つのかと聞かれたらわからない。


「はい、そうですね…」


その言葉を皮切りに、名残惜しげにしつつディーヴァから一歩下がり、鏡へと進み始める。


「リアラお姉ちゃん、悪魔をこれからも狩るなら怪我しないように気を付けて。風邪ひかないように元気でやってね」

「ディーヴァちゃん達も無理しないで。…2人で元気で過ごして幸せになって。……それじゃ、もう行くね」

「………うん」


鏡に手を触れる。
水面のように波打つそこは、簡単にリアラと髭の手を飲み込んだ。