コラボ小説 | ナノ
 party of the full moon 2

「秋とか冬ってイベント多いよね。つなちゃん、衣装とかもう考えてたりするの?」

「もちろん!来月はビックイベントがあるからねー」


先程とはうって変わって目を輝かせる雪菜。ああ…、と納得したようにたまごねこは言う。


「ビックイベントって、ハロウィンのこと?」

「そう!ここら辺じゃまだまだ浸透してないけど、こんないいイベント、逃すわけないでしょ!」

「仮想して、堂々と街出られる日だもんね。つなちゃんの腕が鳴るわけだ」

「そういうこと♪」


楽しそうに言う雪菜は、それでね、と話を続ける。


「今、ダンテ達の衣装考えてるんだけど、色々と悩んでてねー、何人かは決まってるんだけど」

「え、どんなのどんなの?」


身を乗り出してたまごねこは聞く。けっこう乗り気である。


「えっとね、まずおじさんは吸血鬼。これは即決めだった」

「即決めなんだ…」

「うん。あの気だるげな感じとか。他に似合う人いたら教えてほしい」


キリッ。何だかドヤ顔である。


「後は?」

「後はねー…リアラは狼。魔女と悩んだけど、リアラ、狼好きだから」

「本当?嬉しい」

「つなちゃんもリアラちゃんは狼イメージって言ってたもんね」

「うん。狼っていっても女の子だからかわいらしくするつもりだよ。スカートとかね」

「スカートだと動き辛くない?尻尾あるんだし」

「そこは私の腕の見せどころだね」

「楽しみにしてる」

「うん、がんばっていいの作るね」

「ねえねえ、他はー?」

「他はねー…ネロは狼男で、初代はわんこ。バージルはミイラ男かな。初代は狼男にしようかと思ったんだけど、わんこの方が似合いそうだし、ネロと被っちゃうから」

「リアラとも被っちゃうよ?」

「異性だからOK」

「なるほど。ねえねえ、私は?」


キラキラと目を輝かせるたまごねこに、雪菜はうーん、と考えながら答える。


「ねこちゃんはねー、にゃんこか魔女で迷ってるんだよねー。若と2様はまだ候補も出てないし」

「おばけとかは?」

「おばけだと顔とか隠れちゃうでしょ?なるべく顔出したままできるやつにしたいんだ」

「そうなんだ…。雪菜は何にするの?」


リアラに問われ、雪菜は手を振る。


「え?私、着ないよ?」

「「え」」


リアラとたまごねこは揃って目を見開く。


「なんで着ないの?」

「自分の作った衣装着るなんて恥ずかしいもん、私は作るのに徹する」


キッパリと言いきった雪菜の腕を掴み、たまごねこは上目遣いで言う。


「えー、つなちゃんも着ようよー、皆でやった方が楽しいよー」

「私も、雪菜と一緒に楽しみたいな」

「うーん…。でも、似合うやつないし…」

「じゃあ、私とお揃いにしよう!それなら恥ずかしくないでしょ?」

「まあ、それなら…」

「やったー!」


満面の笑みを浮かべるたまごねこに、雪菜はくすりと笑みを漏らすと、再び窓の外を見上げる。